熊野神社熊野速玉大社(新宮)
和歌山県新宮市新宮。
熊野川の河口にまつられる。「延喜式神名式」には熊野速玉大社という。
天平神護二年(766)には熊野早玉大社、式内大社。
「新抄格 勅符抄」には速玉社。
もと神倉山にまつられていたが、のちに阿須賀社の北にある現在地に移された(「熊野略記」)という。現在は第二殿の速玉宮(中御前)に、主神の熊野速玉大神をまつっている。
神倉山中腹には「ゴトビキ岩」という巨岩があり、おおくの祭祀遺物が発見されたことから、大和の三輪山同様、ここも神奈備山とみなされ、その山中のゴトビキ岩は磐座(いわくら)と観念されて、神まつりがおこなわれたと考えられている。なお、ゴトビキ岩は海上からも遠望できるという。
(図説日本の仏教6「神仏習合と修験」新潮社 平成元年刊所収の和田 氏著「熊野への道」より)
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