この女王の横顔は「沈み彫り」で彫られている。これは古代エジプト特有の技法で、図像が前に飛び出さないかわりに石の平らな表面から後ろに押しやられている。「沈み彫り」は明瞭な輪郭光と影による明暗効果を生むことを可能にする。屋外の飾り、或いは柱廊玄関の柱の背面のように、壁面の一部分だけが影になっていて、明るい陽射しが絶えず変化する彫刻の細部に当たっている場合に特に適した技法である。

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