ここに表されているナルンデはエラムの大母神Kiririsaの姉妹神とされています。

この地母神的性格は豊穰の女神イナンナと共通のものがあり、またイナンナの他の側面として、戦の女神という性格を有していますが、紀元前三千年紀のエラムのテキストを見ると、ナルンデも共通して戦の女神の性格を有していることがわかります。

エラムの神殿址(チョガ-ザンビル)で発見されたブロックには、シュメールの女神イ
ナンナの名前がエラムの神々の名前と同様顕著に見られます。

これは他所の神を否定的に捉える段階を越えた性格をこの万神殿とも言えるエラムの神殿が持っていた事を表わし、このような中で神々の習合が容易になされて行ったものと思われます。

・J. Black and A. Green/ Gods, Demons and Symbols of Ancient Mesopotamia/ 1992
 Austin
・ R.Ghirshman/ Notes Iraniennes XVI-Deux Statuettes elamites du Plateau Iranien/
 ARTIBUS ASIAE XXX1968
・ Walther Hinz/ ALT-IRANISCHE FUNDE UND FORSCHUNGEN/ Berlin 1969
・ W.Hinz/ Zur Entzifferung Der Elamischen Strichschrift/ Iranica Antiqva II 1962
ナルンデ女神文壷a
ナルンデ女神文壷b

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婦人座像