古代中央アジアで産出したラピス・ラズリがエジプトの神像に使われていた事は、当時すでにオリエント世界に広範な交易が存在した事を示しています。
エジプトではすでに紀元前4000年紀後半(3,500〜3,000 B.C.頃)には彼の地では産しないラピスラズリを使った宝飾品が出現していますが、少なくとも紀元前三千年紀には、東はインダスの河谷地域からメソポタミアを中継し、西はエジプトに至る、いわゆるラピス・ラズリ=ロードと呼ばれる交易路が存在したと考えられています。
・Horst Klengel/ Handel und Haendler im alten Orient/ 1983 Leipzig
(古代オリエント商人の世界 江上波夫、五味亨訳 山川出版社 1983)
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