このエレクトラムの杯は、主に底の部分と胴の部分の二つの大変薄い延べ板によって作られています。

胴の部分は円筒型に丸められ、底の部分は浅い杯型に打ち出し、その接合部分はグラニュレーションという古代技法で接合されていると考えられています。

内側に折り返された口縁は厚めのリボン状の断片を巻き込み補強してあります。

これらはその器底部を丸く帯状に突き出した安定感のある器の形から、カスピ海の南側、北イランのマルリクから出土した器物に近いいわゆる’マルリク型’杯に分類されます。

・Zvigoffer/ Archaeological Chemistory/ A Wiley-Inter Science Publication New York ;
・R.J.Forbes/ Studies in Ancient Technology Vol.VIII/ E.J.Brill 1971;
・P.Meyers/ Ancient Art from the Shumei Family Collection / The Metropolitan Museum of Art 1996
古代オリエント地図 Map of Ancient Orient

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