この印象的な鳥頭部は容器胴部とは別に作られており、それぞれが、1個は首の真上に、もう1個は首の真下に付けられた2個の小さな金製リベットで器壁に固定されている。表面に羽毛が描かれたのは頭が取り付けられた後であり、それによって鳥頭部と容器胴部との接合部がほぼ完全に見えなくなっている。引き締まった形とうろこのような滑らかな羽毛によって、この鳥の頭部は爬虫類のように見える。現在は失われてしまったがかつて目に施されていた象嵌によって、そのような印象はもっと強調されていただろう。平らな底部には大きな円が線刻されており、その内部には重なり合う小さな6弁の円花文がある。打刻された小さな円が、これらの円花の花弁、そして円花と円形の輪郭刻線の間の空間を埋めている。それぞれの円花には中心を示すために球形のパンチであけられた小さな穴があり、長い花弁の間にはさらに小さな花弁が蕾を出している。
古代オリエント地図 Map of Ancient Orient

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