室町時代後期 16世紀
高:76.5cm 口径:46.0-48.5cm 胴径:68.5cm
底径:23.0-23.5cm
室町時代後期を特色づける越前大甕の優品の一つである。直線的に外に開いた短い口頚部の上からやや下がったところに突線帯が残されていて,N字状口縁の痕跡を留めている。胴は丸く膨らみをもっていて,中央に最大径があるのは,後期でもやや古式に属するものと考えられる。非常によく焼き締まっていて,器の半面に口頚部から胴の下半にかけて鮮緑色の自然釉が流れ落ちるように掛かっていて,その先端が藍・茶褐色に変化して見事な景色をつくっている。
この頃から越前窯は大規模な大窯生産に転じ,大量生産を行うことによって日本海北部一帯をその商圏におさめ,北陸唯一の大窯業地としてその盛期を迎えた。(楢崎)
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越前大甕