江戸時代 18世紀
縦:21.9cm 横:21.9cm 高:3.0cm

器表面全面に化粧掛けされた白泥の上に,銹絵で牡丹画が描かれ,さらに透明釉が掛けられている。白泥は刷毛塗りされており,細かく観察すると,刷毛目の痕跡が見てとれる。賛に伴う印は型紙摺りで,赤の絵の具を上絵付けしたもの。牡丹画には「光琳画」賛には「乾山深省書」の落款が伴っており,光琳画乾山作,あるいは兄(光琳)弟(乾山)合作と呼ばれている角皿である。
かつて,この手のいわゆる兄弟合作の皿については,尾形乾山が著したという『陶磁製方』(佐野伝書)のなかに,「……最初之絵ハ皆々光琳自筆ニ画申候……」という記述があることから,乾山焼としては最初期の鳴滝時代の初めのものとする考え方が支配的であった。しかしその後,文書(書状)に見られる光琳の花押との対比から,兄弟合作の皿の大半を鳴滝時代の終わり頃に位置づける見解が出され,現在では有力な説となっている。 (尾野)

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乾山銹絵牡丹画角皿(尾形光琳画)