はにわになった動物には、大きく分けて家畜(かちく)・家禽(かきん)と野生(やせい)動物の2種類(しゅるい)があります。家畜や家禽には人間の身近(みじか)な存在(そんざい)として、牛、馬、犬、鶏(にわとり)、鷹(たか)などがあり、野生動物には狩(か)りや信仰(しんこう)の対象(たいしょう)として、鹿(しか)、猪(いのしし)、猿(さる)、水鳥(みずどり)、魚(さかな)などがあります。はにわに見られるさまざまな動物は、そのまま古墳(こふん)時代の人々と動物との関係をあらわしているとも考えられます。それらさまざまな動物には、埋葬(まいそう)に供(きょう)されるものとしての動物、死者の魂とお別れをさせてくれる役としての動物、死者(支配者の場合)が生前(せいぜん)もっていた力をあらわすための動物という性格(せいかく)がこめられているようです。古代人が動物に対してどういう考えをもっていたか、はにわはそれを知る手がかりになってくれるのです。

関連美術品
埴輪 水禽
埴輪 猪
埴輪 鳥