優雅な輪郭の横顔を表現した青緑色のファイヤンス。前頭部から首にかけての形状と、こめかみから顎に伸びる溝から、王冠をかぶり儀式用の付け髭をつけた王を表したものであることがわかる。目、眉毛、付け髭の紐の部分に彫られた溝には、ガラス質の物質を嵌め込んだ。目の部分に緑色の縁取りと白色の眼球の象嵌が残っている。別作りの王冠や付け髭と組み合わせて、神殿の壁面などに嵌め込まれたのかもしれない。このようにいくつかの部分を組み合わせて構成された人物像は第18王朝から知られているが、その後も長い期間にわたって作られた。
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ファラオ頭部