90a, b雛型剣
前5―前2世紀

a:高6.3 cm 幅1.4 cm b:高6.6 cm 幅1.3 cm
91雛型弓矢
前5―前2世紀

高24.6 cm 幅13.5 cm
92a-c雛型槍
前5―前2世紀

a:長24.5 cm b:長8.7 cm c:長2.9 cm
93雛型弓
前5―前2世紀

長27.4 cm
94雛型剣
前5―前2世紀

高2.0-14.7 cm 幅0.2-2.3 cm
95雛型剣
前5―前2世紀

高1.2-5.8 cm 幅0.3-1.0 cm
96雛型弓矢
前5―前2世紀

高2.3-15.7 cm 幅0.6-9.7 cm

奉納雛型武器
 実物の武器や奉納以外の用途の考えられない武器がタフティ・サンギーンのオクサス神殿から発掘されている。その中には多くの武器の雛型があった。この類の金製品はオクサス遺宝にも見られる。バクトリア遺宝には200以上もの武器の雛型が含まれている。槍は植物の葉のような穂先をもっている。
 作品91、93、96の弓矢は、弓・矢・弦が完全に揃ったものと不完全なものがあるが、銀の一番大きい弓の雛型(作品93)はスキタイの様式を示しており、獅子頭の装飾がついている。作品96のすべての弓は中程が内側に強く曲がり、その両端は外側に曲がっている。弦は真っ直ぐな金線で弓の片端にはんだ付けされ、その他端は弓の端の輪に付けられているか巻きつけられている。矢は両端が平たくされており、その一端は尖端を付けられているか、あるいは複葉形に成形し、他端は小さい輪を作り弦に付けている。この弓矢は金板に線刻されることもあった。作品94の多くの雛型剣は金板から切り出したもので無紋である。作品95の柄と刀身に線刻の意匠を施したものもみられる。これらはアケメネス朝の一般的な剣の形態に相当する。これらは実際の武器の雛型であり、神殿の神に捧げられたものである。
 オクサス神殿からは様々な実物の武器が発掘されている。それには50の青銅製の鏃、6000の鉄製の鏃、多くの象牙製の剣の鞘と雛型の武器が含まれていた。
 バクトリア遺宝にはこの他にギリシャ型の奉納剣がある。作品90は刀身とそれにぴったり嵌る鞘であり、同じ工房で製作されたものと考えられる。刀身は幅広く真っ直ぐであり、その先端で細くなっている。刀身の上部の両側は尖った角がついている。鞘は金板をたたみ、金線で縁と中心線を装飾し、両端を金線で装飾した帯につける環を上から四分の一程の位置に付けている。

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