1―2世紀 タジキスタン共和国 パルハル地区 サフサノフル都城址出土
金
高5.2 cm 幅5.2 cm 奥行2.2 cm
タジキスタン国立古代博物館蔵
サフサノフルはタジキスタン南部にあり、北アフガニスタンの古代バクトリアの遺跡アイ・ハヌムから30キロ東北に位置している。前2世紀後半にバクトリア王国が滅んだ後スキタイ(サカ)族が王国を建てたが、1世紀にはクシャン朝が王朝を開いた。
このバックルには男性が馬上で槍を執って右下の猪を狩っている場面が表されている。その幅広のズボンや上衣の様式そして長い髪形はクシャン朝の男性のものであり、それを囲む枠にはギリシャ由来の卵鏃意匠が施されている。これらの意匠に合わせて貴石を象嵌した穴があけられており、大変煌びやかなものであったと想像される。古代バクトリアの優れた金属工芸が息づいている作品である(154頁の解説も参照)。
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バックル