頭に宝冠をつけ、両側に冠5を長く垂らした菩薩が、2頭の獅子座に交脚して坐し、胸前で合掌する。極端に小振りの両脇侍菩薩も合掌し、台座には香炉をなかに跪いて供養する鮮卑族の10人が浮彫される。砂岩のため、細部の装飾文様は風化して不鮮明となり、光背も上半分が欠けているが、菩薩の四角く丸い顔立ちやふとりじしの体?に、北魏前半期の特徴が見出される。交脚菩薩は兜率天で下生を待つ弥勒菩薩を表し、同時期の雲岡石窟でも多くの弥勒菩薩が造像され、未来仏の弥勒に対する信仰の隆盛さを物語っている。曲陽修徳寺遺址で出土した二千二百余体のうちの1体で、最も初期に属する。(SH)
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弥勒菩薩交脚像