一基
奈良県指定文化財
鎌倉時代 一三−一四世紀
木造 ガラス
高四二・〇 底径三四・〇
奈良・春日大社蔵
藤原頼通から長暦二年(一〇三八)に寄進を受けたという社伝をもつ吊り灯籠で、火袋に青いガラス玉を糸に通して縦に連ねた、極めて贅沢で珍しいものである。平安時代の瑠璃灯籠は、奥州平泉の藤原氏が所蔵していたとの記録があるが、現物としては残っていない。この作品についても、全体の形から鎌倉時代のものと思われる。鎌倉時代の絵巻には、春日社の本殿正面に掛けてある様子が描かれ、室町時代には正月の数日間点灯されていたという記録がある。今日でも重要な神事のときには、複製の瑠璃灯籠に火が点される。
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瑠璃灯籠