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展示スケジュール EXHIBITION
夏季・秋季特別展
      アメリカ古代文明 新大陸三千年の輝き
2004年7月17日(土)〜8月22日(日)/9月1日(水)から12月15日(水)
主催 MIHO MUSEUM、京都新聞社
後援 エクアドル共和国大使館、グアテマラ共和国大使館、コスタリカ共和国大使館、ペルー共和国大使館、メキシコ合衆国大使館、滋賀県、滋賀県教育委員会、NHK大津放送局
 ユーラシア大陸の古代文明は、物質的にも精神的にもつながりを持ち、互いに影響を与え合って今日にその素晴らしい遺産を残しています。一方“新大陸”アメリカの古代文明は世界の文明史の中で、ひとり他の文明との交渉なしに独自に生まれ育ったものだったのです。彼らはエジプトに匹敵するような巨大なピラミッドや壮麗な宮殿を造り、大変正確な天文学と暦を発達させました。しかも彼らは鉄も車輪も米も麦も知らず新石器時代の技術をもって、トウモロコシを主食とした優れた文明を築いたのです。
メソアメリカ
   北部中央メキシコから南にグアテマラ、ベリーズ、ホンジュラス、エルサルバドルの一部を含む多数の民族からなる古代文化圏をメソアメリカと呼んでいます。彼らは各々の異なる言葉を使っていましたが、同じ農耕法と作物、暦、宗教や儀礼を持っていました。
 
オルメカ文明−メソアメリカ最古にして母体となる文明を築いた密林の人々
仮面 オルメカ
仮面
   オルメカ 前900-600BC ひすい

   ひすいの大きな塊を削って作られた実物大の仮面で、その若々しい表情は語りかけて来るようです。
   王が儀式の際これを被り、その表面に線刻された象徴によって宇宙を司る力と一体となったのでしょう。
(ケルト)   オルメカ 前900-600BC 石

   オルメカの人々はひすいのような緑色の石をトウモロコシの穂とみなし、儀式用の斧もこのような形に作りました。
   斧は農地を切り拓くものであり、宇宙生命の象徴“世界樹”が中心に生える聖なるトウモロコシ畑の結界を画するものでもありました。
斧(ケルト)
テオティワカン文明−聖地にメソアメリカ最大の都市文明を築いた高原の人々
仮面   テオティワカン AD200-650 ひすい

   オルメカとは違った強い様式化が見られますが、その肉付けは現実味を持っています。深緑色の石は強い宇宙の生命力を表し、浅緑色の耳飾は後に東に興ったマヤ文明の地からもたらされたものです。
仮面 テオティワカン
マヤ文明−緻密な暦を発達させ、宇宙の神秘に迫った密林の人々
ペンダント   マヤ AD452頃 ひすい

   このペンダントには、王が彼らの重要な時代の終わりの日に式典を行った内容の銘文が刻まれています。これは何枚か組み合わせて王の正装の帯を飾りましたが、代々子孫に受け継がれて行ったものです。
ペンダント

   マヤ AD400-500 土器

   三つの脚で支えられた器の側面には、花が咲き音楽のあふれるマヤの死後の楽園の様子が刻まれています。その銘文によるとこの杯で王が特別のチョコレートを飲んだことがわかります。
球戯用防具
球戯用防具   マヤ AD600-900 石

   メソアメリカの球戯はオルメカの時代から続く神聖な神事であり、命を捧げる戦闘の象徴でもありました。このような防具はそのゴムの塊のボールから戦士の体を守るもので、霊力の強い怪物の姿が刻まれました。



杯



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