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2005年7月16日（土）～8月21日（日） |
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 芹沢銈介作 赤絵中皿 1940年頃 |
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主催=MIHO MUSEUM、朝日新聞社
後援=滋賀県、滋賀県教育委員会 東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館 静岡市立芹沢銈介美術館 NHK大津放送局 びわ湖放送株式会社 |
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  『赤絵もどき』 1943年 |
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 東北窯めぐり六曲屏風（赤絵陶器を彷彿とさせるデザイン） 1938年 |
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 かつて宋赤絵を見て驚いた。赤い花びらが、まるで水面にひらめく魚のようで、真っ白い化粧土は、胸に沁み入るように清潔だった。芹沢先生の赤絵陶器を見たとき、この人は宋赤絵の陶工の生まれ変わりではないかと思った。木や草の揺れる線が、同じように胸に沁み込んで来る。そしてふと気がつくと、芹沢先生の文様には、赤絵を思わせるものが何とたくさんあることか。 身の回りから切り取られた文様が、丸や四角にアレンジされると、何だか急に赤絵らしくなってくる。勢い溢れる筆遣いや、小花文の愛らしさ、赤と緑の色遣いがあちこちの着物や屏風に潜り込んでいる。 芹沢先生は、戦前に赤絵陶器を制作された。沖縄の壷屋焼きの生地を取り寄せ、浜田庄司氏が築窯を手伝ったという。その時の作には皿や鉢のほかに柳を描いた香合なども多数あって、こんな佳作を手に入れた人たちは、なんと幸運であることよ。この時の生地は、昭和20年の空襲で灰と化した。 「戸棚一ぱいの白きぢと庭にあった窯を焼かれて二十余年 赤絵の仕事から遠のいているけれども その愉しさ忘れられず想ひの中にある 折にふれ描きすてた皿もようの如きもの捨てかねてここに陳へて見る」 「焼き物にも模様をつけたい 染物の下絵などつくる時 またつれづれにこのような色もようが出て来る 赤絵への催促めで 我ながらおかしい」 これは、昭和四十二年夏に描かれた「赤絵待ち」そして「赤絵恋い」という図案集のまえがきである。「赤青草紙」「赤絵もどき」「小もよう赤絵風」「赤絵の仕度」「赤絵待ち」「赤絵恋い」「赤絵風」・・・芹沢先生の膨大な図案本の中には、こんな題名が混じっている。赤絵に片恋して、かなわぬ想いが募っていくようだ。 |
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