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  経典の多くをインドから中国に伝えた傑僧の中に、玄奘三蔵がいます。西遊記の三蔵法師のモデルとなった彼の本当の旅とは、どのようなものだったのでしょう。玄奘三蔵が持ち帰って訳したといわれる経典には、空の思想を伝える大般若経600巻が含まれ、般若心経は今日なお、最も人々に親しまれているお経のひとつです。

  江戸時代には、白隠という禅のお坊さんがいました。厳しい修行の中で、たくさんの絵や詩文を書き、人々が平易に禅に親しむ著述も残しましたが、この白隠さんと村の女との物語は、白隠さんの高雅な精神を表すものとして、有名な講談にまでなりました。
達磨図 白隠慧鶴筆
一字宝塔法華経(戸隠切)・断簡
達磨図 白隠慧鶴筆 江戸時代 18世紀
白隠禅師最晩年に描いた達磨図です。達磨さんは視線の先に、何を見ておられたのでしょう。
  この展覧会では、経典とその内容をあらわす美しい仏像や仏画の世界を現出させ、人々が今日まで積み上げてきた、仏教の驚くべき知恵と偉業の数々を紹介します。また、お釈迦様の一生、東大寺大仏殿建立時代の経典制作、三蔵法師玄奘の旅などをイラスト漫画ビデオにまとめ、お子様や若者にもわかりやすい説明を目指します。古人が築いて来た仏教の豊かな精神世界を、この機会に、どうぞ覗いてみて下さい。

一字宝塔法華経(戸隠切)・断簡 平安時代 12世紀 藤原定信書
宝塔を綺羅刷りした料紙に書かれたスピーディーな文字は、片上様(かたあがりよう)と呼ばれます。



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