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2011年 夏季特別展 Ancient Civilizations of the Americas
Man, Nature and Spirit in Pre-Columbian Art
アメリカが「新世界」として知られるようになった15世紀、そこでは青銅器も鉄器も作られていなかった反面、当時の世界の中でも最高度に正確な天文学と暦が発達していました。それは生誕・死・再生という自然の大きな生命循環の流れにその営みを正しく合わせるためだったのです。本展ではメソアメリカ、南アメリカを中心に、彼らが自然との調和を追い求めた三千数百年にわたる軌跡、アメリカ古代文明の精華100余点の発信する精神世界を探訪します。 神々

メソアメリカでは黄鉄鉱はじめ数種の鉱物で鏡が作られました。神々は光り輝く金属の体を持っていると考えられたため、鏡の反射する表面は神々を連想させました。鏡は神々や祖先の世界への入口だったのです。 鏡 オルメカ 前900年〜前600年
アメリカ古代文明 人 自然 精霊
主催:MIHO MUSEUM 京都新聞社
後援:滋賀県 滋賀県教育委員会 NHK大津放送局 BBCびわ湖放送 エフエム京都
仮面 オルメカ 前900〜前600年 仮面

古代アメリカの神話では、神々や祖先がこの世を去る時に残したのは仮面や装身具でした。こうした仮面を被って神々や祖先の世界と通信し、占いや癒し、雨乞いや豊作祈願を行ったのです。
鏡 オルメカ 前900年〜前600年
仮面 トラティルコ 前1200〜前500年 仮面 トラティルコ 前1200〜前500年 石製容器 ショチパラ 前1500年〜前1000年 儀礼の宴

古代アメリカでは先祖供養に際し、多くの饗宴と祭りが行われました。この器は一塊の石からヒョウタン形に削り出され、内側をくりぬいて器とフタにしたものです。おそらくトウモロコシやスカッシュの種を入れ祖先に供えたものと想像されます。ヒョウタンは多産と再生の象徴でした。
仮面 オルメカ 前900〜前600年
古代アメリカの人々の平均寿命は33歳位でした。こうした社会では老人は大変尊ばれました。この仮面はユーモラスに見えますが、生前敬われた長寿者の肖像だったようです。
仮面 トラティルコ 前1200〜前500年
儀斧 オルメカ 前900年〜前600年
7月9日(土)〜8月14日(日) 翡翠

メソアメリカでは、翡翠の緑色は成長、再生、トウモロコシのイメージに通じ、天上界・地上界・地下界をつらぬく世界の中心軸の象徴でもありました。
 翡翠は最も尊ばれた素材で、金や銀よりも高い価値を持っていました。しかし彼らの翡翠は、蛇紋石なども含む様々な緑色の鉱物でした。 石製容器 ショチパラ 前1500年〜前1000年 石製容器 ショチパラ 前1500年〜前1000年
この三脚容器には、祝福された者が死後住まう太陽神のパラダイス(花山)の情景が刻まれていますが、死者が異界での饗宴に使うために作られたものと思われます。刻まれた銘文からは、この器が特別なチョコレートを飲むためのものであったことが分かります。 三脚容器 マヤ 400年〜500年
儀斧 オルメカ 前900年〜前600年 三脚容器 マヤ 400年〜500年



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