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ミュージアム・トピックス
M u s e u m T o p i c s

王宮の雰囲気ただようウィーン(オーストリア)、
古き学園都市ライデン(オランダ)


ウィーン美術史博物館はヨーロッパで最も栄えた王家の一つであるハプスブルク家のコレクションが基本となっています。1866年コンペによって設計が決められ、1871年に着工。外装は10年ほどで完成しましたが、その内装には更に10年余りが費やされ、厳選された画家による美しい天井のフレスコ画や、作品のすばらしさを際立たせる豪華な建築材による枠どりをもつ、華麗な美術館が1891年に誕生しました。

MIHO MUSEUMコレクション ヨーロッパに遠征
牡牛装飾脚杯
牡牛装飾脚杯
イラン北西部 前12-11世紀

第二次世界大戦では、戦火に曝されながらも、その内装はほとんど被害を受けずにすみました。赤御影石の古代の柱や、19世紀末の画家による天井絵が施されているエジプト展示室が特に有名です。 同館からは、1996年にアメリカで開催された当館コレクションの展覧会直後、同様の展覧会を開催したいとの要請がありましたが、折しも当館は開館直前でもあり、実現しませんでした。しかし今回、出品交渉が急速にまとまり、当館のコレクションから厳選されたエジプト美術5点、西アジア美術45点、ギリシア・ローマ美術6点の合計56点が出品されることとなりました。
また、ライデン古代博物館でも同じ構成の展覧会が開催されます。

ナクト像
ナクト像
エジプト 伝アシュート出土
第12王朝前期 前1960−前1916年頃

18世紀中頃、ライデン大学に寄贈されたアムステルダムの収集家のコレクションが展示公開され、市民に開かれた最初の博物館の一つとなりました。その後、このコレクションは、1818年オランダ国王ウィレム一世の提唱により創立された国立ライデン古代博物館に展示されることになり、大学の教授が館長に任命されました。彼は、世界最初の考古学の講座を設けるとともに、博物館の収集活動はすべての古代文明に及ぶべきであるとの理念のもとに、数年間で現在のコレクションの基礎を築きあげました。コレクションは1821年、今の博物館の一翼をなす建物に移りました。そして1977年には、エジプトの神殿を移築するために中庭に大屋根をかける大改造が行われ、更に20年後の1997年から、展示空間の拡大と質的向上を目的に大規模な改築工事が始まり、1999年秋に新装開館の予定となっています。当館のコレクションは、この新装開館に際しての特別展「MIHO MUSEUM の古代美術コレクション」(仮称)として要請されたものです。

ウィーン美術史博物館
【Kunsthistorisches Museum】
1999年6月22日から10月31日まで
Burgring 5 Maria-Theresien-Platz, Wien, Austria
tel. 43 1 525240
国立ライデン古代博物館
【Rijksmuseun van Oudheden】
1999年11月18日から2000年3月19日まで
Rapenburg 28, 23 11 EW Leiden
The Netherlands tel.++ 31 71 5 163 163


美術館教育 1999

ワークシート 〜美術館を数倍楽しもう!!〜

小学生から高校生、または「私には美術なんてわからないわ」と思われている大人の方々。このシートで美術品に親しみをおぼえることまちがいありません。独りでクイズを解くのもよろしいでしょうし、お友達や親子で謎解きをすれば会話もはずむことでしょう。

ストーリーテリング

3月16日から6月10日の開館期間中、
毎月第2・第4日曜日、午後2:00から
南館レクチャーホールにて

美術品にまつわる「おはなしのじかん」
子供たちが、美術品にまつわるいろいろなお話を聞ける、楽しい会です。お話をとおして子供たちは無限のイマジネーションを広げてゆくことでしょう。ある時は古代のヒーロー、ヒロインになって、恐ろしい怪物を退治して……。ある時は冒険家になり、未知の国へ旅立ち、輝く宝石を発見することでしょう。それは、生涯心に残る宝です。おはなしスタッフのベンさんや、楽しいみんなが待っています。

ギャラリーガイド

昨年より展示品解説のためのギャラリーガイドの貸し出しが始まりました。内容は音楽あり、会話あり、また、海外の美術館学芸員による解説もあります。建築に興味のある方には、巨匠 I. M.ペイ氏のインタビューも興味深いでしょう。どうぞご利用下さい。

夏休み・子供の美術講座

7月25日(日)  : 小学校1年から3年生対象
8月 1 日(日)  : 小学校4年から6年生対象
8月 8 日(日)  : 中学・高校生対象
8月15日(日)  : 中学・高校生対象

開始時刻は午前10時30分、午後2時の2回です。
所要時間:約1時間30分 参加費用未定

今年は日本の伝統美の漆器に焦点を当てた講座を企画しています。劇「漆ってなあに?」や漆体験コーナーなど、奮ってご参加下さい。
お問い合わせは美術館教育係まで(ご希望の方には、申し込み用紙をFAX致します)。

講演会予定

4月11日(日)午後2時
「南館新出展示品をめぐって」
稲垣 肇(当館学芸員)

4月18日(日)午後2時
「古代バクトリア新出土の貨幣について」
エドモント・バパラッチ氏
(フランス国立科学研究センター研究主任/フランス考古学調査団隊長)

5月5日(祝)午後3時
「万里の長城を越えて−
中国とユーラシアステップの交流」(仮題)

エンマ・バンカー氏(デンバー美術館研究顧問)

6月6日(日)午後2時
「MIHO MUSEUM のイスラム美術」(仮題)
杉村棟氏(龍谷大学教授)

8月
漆工芸に関する講演


ギャラリートーク

毎週土曜、午後2時より
当館学芸員によるギャラリートークを行っております(通年)。




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