精霊と従者浮彫(アッシリアのレリーフ)
精霊と従者浮彫


アッシリアの首都ニムルドは、旧約聖書にその名を留めるに過ぎなかったが、 19世紀になってその巨大な姿をあらわしたニムルドの石造美術品は、美術的評価が高く、発見された美術品の殆どが大英博物館に運ばれていた。 その発見から約150年を経た1992年、研究者ジョン・ラッセルは当時チグリス川に沈んだとされていた石灰岩のレリーフを、 偶然にもイギリスのカンフォード校(ハイスクール)の売店の壁に発見したのである。そのハイスクールはかつて、ニムルド発掘の援助者であった、ジョン・ゲスト卿の別荘であった。

この浮彫はアッシュールナシルパル二世の「北西宮殿」の壁面を飾ったもので、有翼精霊が王の後ろに控える従者の背後で浄めの儀式をしている。
これは、王の狩猟の場面の一部であり、狩猟者、最高聖職者、統治者を「演じる」神と人間との間をつなぐ者、 つまり王としてのすべての行いが、神の祝福のもとにあることを示しているかのように思われる。

精霊と従者浮彫
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