●南館● 1998年春季展作品紹介 |
![]() |
![]() |
2頭の馬浮彫
イラン ペルセポリス アケメネス朝ペルシア 石灰岩 高:37.7cm 幅:38.1cm 厚:9.0cm |
|
アケメネス朝ペルシャの王ダレイオス I 世はペルセポリスを秋の王宮として定め、ペルシャ帝国領内外の多くの地域・民族から資材や人材を集め壮麗な都を建設したと伝えられています。これはゾロアスター教に則った世界の変革統一を目指したものであるとも考えられていますが、結果として古代オリエントを総合する美術様式を完成させました。
大英博物館所蔵の「王の馬車」浮彫はこのペルセポリスのアパダーナ(謁見の間)の北面階段側壁の東翼装飾に由来するもので、MIHO MUSEUM 所蔵の「2頭の馬」浮彫と元来一体のものでした。大英博物館のこれを含めたいくつかのペルセポリスの浮彫は、19世紀初頭のテヘラン駐在イギリス大使サー・ゴア・ウーズレイ、及びアバディーン卿のコレクションに由来していますが、収蔵時には馬の頭部は含まれていませんでした。この度MIHO MUSEUM 開館を機会に大英博物館から「王の馬車」をお借りすることができ、おそらく展示としては初めて往時の形に組み合わせることができました。6月10日の春季開館終了とともに大英博物館にこの組み合わせのまま返還と貸出が行われ、しばらくは大英博物館でお目見えすることとなります。 |
|
王の馬車
イラン ペルセポリス アケメネス朝ペルシア 石灰岩 高:54.8cm 幅:80.7cm 厚:9.0cm 大英博物館蔵(BM118843) ![]() |
![]() |
![]() |
![]()
アルシノエ2世像
エジプト プトレマイオス朝 前3世紀
プトレマイオス2世の王妃、アルシノエ2世は愛と豊穰の女神とされた。百合の笏を片手に愛らしく微笑むこの像の姿はまさしくその雰囲気を伝えている。
|
![]()
精霊と従者浮彫
イラク北東部 新アッシリア 前9世紀
アッシュールナシルパル2世はその宮殿中の壁面を浮彫石板で装飾した。この浮彫の力強さから当時の国力の充実と王の威厳の大きさが感じられる。
![]()
庭園図(フレスコ)
ローマ 1世紀
楽園のイメージが込められたこの絵は、見る者を窓枠の外に広がる庭園の幻影に誘い込む。フレスコ技法により、美しい色が朽ちることなく残されている。
![]()
宮女俑
中国 唐時代 8 - 9 世紀
頭を左に向けわずかに右に傾ける。細い切れ長の目、小さな鼻、かすかに笑みを浮かべる唇など、典型的な唐美人のふくよかな顔立ちを繊細に表している。
|
![]()
仏立像
パキスタン 2世紀後半期
多数知られるガンダーラの仏立像のなかでも、これほど大きい像は極めて珍しい。やさしく慈悲にあふれた眼差しで我々を大きく包み込んでくれる。 |