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展示スケジュール EXHIBITION

夏季特別展 生誕百年記念「小林秀雄 美を求める心」2003年7月20日(日)〜8月20日(水)
  小林秀雄は、1902年東京に生まれました。フランス象徴派詩人や志賀直哉の影響下に文学的形成期を送り、東京大学文学部仏文学科卒業後、'29年に『改造』の懸賞評論に応じ『様々なる意匠』が2席入選。以後、文学・美術・哲学と文芸評論の可能性を大幅に広げました。'67年には文化勲章を受章し、日本近代評論の確立者と言われ、文芸評論を芸術として確立した評論家です。代表作には『ドストエフスキイの生活』『近代絵画』『ゴッホの手紙』『本居宣長』『無常という事』『私の人生観』などがあります。
  本展は、20世紀の我が国における最高の評論家である小林秀雄の生誕100年を記念し、彼の「知と美」に対する慧眼を改めて見つめ直します。
  会場は、従来の文学者の回顧展とは一線を画し、その著作「美を求める心」を道標に、小林秀雄が感動し、また座辺に置き、評論の対象となった「絵画」や「骨董」などの作品を通して「小林秀雄の眼」、あるいは彼が探求した「美」そのものに主眼を当てようとするものです。本展を通して、美を求める心とは何か、を来館者に感じて頂ければと思います。

拭漆栃彫花文小箱
拭漆栃彫花文小箱
黒田辰秋作

掛仏 掛仏
鎌倉時代
最後に購入した骨董


梅原龍三郎
カンヌ夕景
1958年
梅原龍三郎 カンヌ夕景

粉引徳利「酔胡」

粉引徳利「酔胡」
李朝初期
浅川伯教旧蔵
絵唐津草文ぐい呑み
道標は「美を求める心」
  「―極端に言えば、絵や音楽を、解るとか解らないとかいうのが、もう間違っているのです。―」
  「―私達が、普通、私達の生活の中で、どんな具合に眼を働かせているかを考えてみるとよい。特になんの目的もなく物の形だとか色合いだとか、その調和の美しさだとか、を見るという事、謂わば、ただ物を見るために物を見る、そういうふうに眼を働かすという事が、どんなに少いかにすぐ気が附くでしょう。―」
  「―今日の様に、知識や学問が普及し、尊重される様になると、人々は、物を感ずる能力の方を知らず識らずのうちに、疎かにするようになるのです。―」

絵唐津草文ぐい呑み
桃山時代
   
セザンヌ 二つの果物

セザンヌ
二つの果物
1885年  清春白樺美術館


ルオー 古びた町外れにて

ルオー
古びた町外れにて  または台所
1937年
記念講演会のお知らせ



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