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馬
灰陶加彩 前漢時代 高46.8cm 陝西歴史博物館蔵

1950年に陝西省咸陽市韓家湾狼家溝から出土したこの馬俑は、始皇帝の兵馬俑坑から出土した騎兵俑の馬が比較的背が低く、
脚が短い中国在来の馬を写しているのとは異なり、たくましい体と長い脚をもった西方渡来の馬を髣髴させる。
もしもこの俑が伝説の汗血馬をかたどったものならば、伝説の馬は中央アジア産の名馬アハルテケに通じる特色を有していたことになる。
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騎馬胡人
灰陶加彩 唐時代(神龍2年・706) 高31.2cm
陝西歴史博物館蔵

1960年に永泰公主墓から出土した。彫りの深い顔をした胡人は、馬上で強く体をひねり、
大きな恫喝とともに高く振り上げた右手を豹に向かって振り下ろさんとしている。
長い頸を左にくねらせ、背後の野獣を振り返っている馬は、長い頸、目からまっすぐに伸びて鼻へと続く小さめの頭部、
短い胴と丸い尻、細く長い脚など、現在のアラブ馬にも通じる特徴を見せている。 |
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楽隊
加彩 唐時代(開元27年・739) 陝西歴史博物館蔵

玄宗皇帝が登場する開元年間に入ると、西安陶俑の世界に極めて優れた彫塑性を持つ作品が現れる。
開元11年(723)の鮮于庭誨墓や開元12年(724)の金郷県主墓の出土俑であり、
開元27年(739)の俾失十嚢墓出土のこの俑もその一つで、一体一体楽器に応じて演奏する姿勢を異にし、
顔の表情、手つき、腰の構えなどすべてに変化を持たせており、前、斜め、横、背面など、どの方向からみても演奏する一人一人の人物の動作を完璧なまでの存在感で再現している。

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