20万年前アフリカに登場したホモ・サピエンスの中でも、最も東に進出した集団はユーラシア大陸を越え、数万年前よりアメリカ大陸に波状的に到来したと言われています。後にコロンブスがこの新大陸を発見したとされる15世紀、そこにはすでに爛熟した多様な文明が数千年来の消長をくりかえしていました。
彼らは旧大陸に勝るとも劣らない精密な天文学や建築技術を発達させましたが、その文明は自然との共生を求める心に満ちており、しかも新石器時代の技術によって造り上げられたものだったのです。
本展では、紀元前18世紀から三千数百年の時間の広がりと、北はアリゾナ南はペルー南部に及ぶ空間の広がりを持った、珠玉の品々80点余りを展示致します。このアメリカ古代文明の産み出した永遠の輝きをご堪能頂ければ幸いです。
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仮面
(翡翠輝石に赤色顔料) オルメカ文明 900-600 B.C.
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アメリカ古代文明で一番古いものの一つオルメカ文明。
その王は最高の権力者であるとともに最高位の神官でした。
彼らの儀式で王はこのような仮面をかぶり自然の創造力と一体となる力を得たのです。
この仮面の表面にはその神聖な力や世界の中心を象徴する図像が刻まれています。
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