棺槨
白玉 隋・開皇12年(592)
太原市虞弘墓出土
山西省太原市晋源区文物管理所蔵 |
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中国から発掘されたローマ、ペルシア、中央アジアの金属器や貨幣、ガラス器、内奥アジアトルファンで発掘された中国の錦などは、漢から唐に至る時代にユーラシア大陸各地の名産、奢侈品を求め東西を結ぶ長距離交易が行われたことを良く物語っています。このいわゆるシルクロードには陸路と海路が発達しました。特に陸路は中央アジアのソグディアナ(現在のウズベキスタン、タジキスタン)を本拠とするソグド人が、各地に移住して作り上げた集落をつなぐ交易網が重要な役割を果たしました。中国ではソグド人の役割が大きくなり、その集落の長は中央から薩宝という地位に任命され統治を任されました。近来華北で見つかったソグド人の墓に納められた石棺床や石棺椁の装飾は、西中央アジアの拝火教を始め彼らと周辺民族の習俗を物語っています。このソグド人の末裔は唐の政治の中枢に入り込み、王朝の衰亡にも深く関係していたことは良く知られています。 |
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