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見返美人図
平成18年春季特別展
日本の美 三千年の輝き
ニューヨーク・バークコレクション

2006年3月15日(水)〜6月11日(日)

主催= MIHO MUSEUM、京都新聞社、日本経済新聞社、メアリー・アンド・
ジャクソン・バーク財団
後援= アメリカ大使館、滋賀県、滋賀県教育委員会、NHK大津放送局、
びわ湖放送株式会社
協賛= NEC、伊藤忠商事
協力= 日本航空

見返美人図

懐月堂安度筆
江戸時代


石山切(伊勢集)
石山切(伊勢集)
伝藤原公任筆
平安時代
 
伊勢物語図色紙
伊勢物語図色紙
俵屋宗達筆
江戸時代
   幼少時代に、何もわからぬまま母の着物の劇的なデザインに、強いインパクトを受けたメアリー・バーク夫人。夫人が初めて日本を訪れたのは昭和29年(1954)のことでした。

   ─1954年の日本の田舎はまだ本当に美しかったのです。しま模様の水田や整然とした茶園が、平野の町を囲み、低い丘陵を覆い、岩の多い山にまで続いていました。古く、うす暗い、しかし形の良い農家が緑色をした農園に点在し、紺色の野良着と大きな麦わら帽子をかぶって働く人たちの姿はその風景にふさわしい調和を醸し出していました。美術はそうした人たちの日常の生活の中で大きな役割を果たしていたのです。美術と工芸の間に西洋におけるほどはっきりとは線を引いていませんでした。美術には漆工、陶磁器、絵画、染織などが区別されずに包含されていたようです。人々が着ているもの、食事のときに使う道具、食物の盛り方、さらには建築物や彫刻、絵画にもこうした美的感覚が見られるのでした。現代の発展が1954年に私が見た絵画的特質をほとんど取り除いてしまったとはいえ、生活の全体的手段である芸術に対する心構えは今なお日本に流れています。─

   昭和60年(1985)に東京国立博物館において開催された「ニューヨーク・バークコレクション 日本美術名品展」に寄せた文章で、夫人は初来日の感想を交えこのように述べています。日本人の生活スタイルそのものを総合芸術として評価するバーク夫人の考え方は、2005年を迎えた今日、日本人自身にどのように受け止められるのでしょうか。

   本展では、ニューヨーク在住のメアリー・バーク夫人が、夫である故ジャクソン・バーク氏と共に半世紀近い年月をかけて蒐集した日本美術のコレクションを、バーク夫人その人を紹介しながら展観します。 バーク夫人のコレクション、思想を通して日本の美しさを再発見していただければ幸いです。
笛吹地蔵図
笛吹地蔵図
狩野探幽筆
江戸時代

平治物語絵巻断簡
平治物語絵巻断簡
鎌倉時代


不動明王坐像
鎌倉時代
不動明王坐像

扇流図屏風
江戸時代
扇流図屏風



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