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MIHO MUSEUM 10周年記念特別展I
小さきもの みな 美し
会期 2007年3月15日(木)〜6月10日(日)
   MIHO MUSEUM は、今年10年目を迎えます。初心に帰ってシンプルに「美しいもの、愛らしいものを喜び楽しむ展覧会」を企画致しました。というのは、MIHO MUSEUM のコレクションが、そのように集められたものだからです。

   暮らしの中で、自然に美しいものと過ごす時間を大切にし、「いいものは沢山見ないとだめよ。」と周りの背中を押して、いいものに触れさせようとしたMIHO MUSEUM の創立者・小山美秀子、その蒐集は40年以上に及びましたが「素晴らしいものを皆で分かち合いたい。」という気持ちが、この美術館を建てることになった、そもそもの動機でした。

   創立者のニックネームは「カメさん」と申します。この度はどうぞ「カメさん」とご一緒に、美しいものや愛らしいものを、無邪気に楽しんでお過ごし下さい。いろいろな作品たちが展示室の中で、皆さんのおいでを、心よりお待ち申し上げております。
カメさんが、呼び掛けます。
   たのしいわねえ
   ようこそみなさん
まあ、すてき
   これ、ご覧になった?


   長沢芦雪の「旭大亀図」、大きく乗出した亀の上半身が、ほんのり染めた旭光に輝き、いまにも何かを語りかけそうです。

 

   てっくてっくてっく・・・豹を背負ったエジプト女性が歩いて行きます。黄金でできた拝火教のチビ神官は、マスクを被って佇みます。古代ローマの昔より、ふわりと飛んだフレスコの天使、ふくよかな仏、善美を尽した経帙、匂い立つ香水杓。


   ところで、日本の春と言えば桜です。「世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」

   いつ咲くか、いつ散るのかと気になって、ちっとも心穏やかになれないとやら文句を言った、かの在原業平が心ときめかせて眺めていた花は、野山にぽっかりと浮かび上がる薄紅色の山桜でした。



   さて今年は、MIHO MUSEUM の桜も早まりそうです。小さな茶箱にお道具をぎっしり詰めて、花の下でのピクニックと行きましょう。え、茶箱の中身をよく見せてほしいって?それは、いらした時のお楽しみ。
 

   煌めく古代ガラス、豪華なペルーの羽毛ポンチョ、植物が染めた布の数々、美しい命の結晶、光の結晶、カメさんの集めたものばかりです。
   MIHO MUSEUM が10周年を迎える今年、創立者であるカメさんの暖かいもてなしを、どうぞお楽しみ下さい。



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