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MIHO MUSEUM 開館10周年記念特別展V MIHOコレクション 大いなる時を超えて
会期 2007年9月1日(土)〜12月16日(日)
主 催:MIHO MUSEUM/京都新聞社
後 援:滋賀県/滋賀県教育委員会/NHK大津放送局/びわ湖放送株式会社
遥か古代に生み出され、数千年の長きに渡って、人から人へと受け継がれてきた美術作品・・・。
その姿は私たちを魅了し、神への祈りや、輝かしい理想、真実への想いを語りかけてくれます。

「尊きかなナイルよ、汝は地よりおこりてエジプトを生かす
その姿、日々の暗がりに隠れ
ラァの創造りし草地に水を与え、渇きたる者らを生かす
水の流れは、遠き砂漠に天よりの露を降らし水を与える」

ナイル賛歌より(B.C.2000年紀のパピルス文書)

本展は開館10周年を記念し、全展示室を使ってMIHOコレクションの名品を展示します。
北館では日本美術を中心に、南館では世界の様々な地域、文明から選りすぐった作品を、それぞれの時代に残された言葉と共に味わいながら、作品の本質に迫ろうと試みます。古代の人々の世界観や美意識、現代の私たちとも共通する普遍的な想いが、浮き彫りとなって来ることでしょう。
そして、自身の文化に誇りを持つとともに、異なった文化に理解と敬意を育む契機となれば幸いです。


南館 古代世界の遺宝

   はるか長い時間の中で、古代文明に何世代もの間、受け継がれ発展してきた伝統とスタイル。その中心に存在する“奉納品”は、聖なる存在に捧げずにはおれなかったもの、その時代と地域の精神をもっとも美しく示すもの、永遠で崇高なものへの希求を呼び覚ますものばかりです。
 
   このような作品がエジプト、西アジア、ギリシャ、ローマ、中央アジア、南アジア、東アジアから来ています。MIHO MUSEUMの南館を巡ることは、まるで、ユーラシア大陸を西の端から東の端まで歩き回る、文明の旅のようです。多くの作品は互いに影響し合い、他のいいところを借用しています。美術館の館内地図を見ると、何となく、古代世界の地図に似ています。その作品の展示室が、ユーラシアとエジプトの地図を表すように、散らばっているのです。建物を、そのように意図した訳ではありません。美術館がオープンして暫くしてから、この一致に気がついたのです。その後、アメリカ・プレコロンビアの作品が加わり、コレクションは、古代世界の精神的遺産のほとんどを、包含するようになりました。




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