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2008年夏季特別展
聖なる酒器─リュトン
会期 2008年7月12日(土)〜8月17日(日)

瘤牛形リュトン
瘤牛形リュトン
東イラン/西中央アジア
前三千年紀末〜前二千年紀初頭


   “リュトン” とは、二千五百年程前にギリシャで使われた器です。その名前は“流れる” を意味するギリシャ語“レオー” に由来するもので、酒を入れる器の口と注ぎ出す口がついていました。これは酒を容れておく器ではなく、酒をそそぐための器だったのです。

その起源は古く、古代のユーラシア大陸に新石器時代からあった、角の形をした器と獣の形をした器が、三千年程前に西アジアで合体したのです。これらの器は神聖な儀式に欠くことのできない聖なる器であり、その形には特別な意味があったのでしょう。
猛禽形杯

牡鹿形リュトン

猛禽形杯
前アケメネス朝時代
前8世紀〜前6世紀



牡鹿形リュトン
小アジア/黒海沿岸地域
前4世紀〜前2世紀




  展示では四千数百年前の、動物の形をした器からはじめ、器に込められたと思われる、神話や伝説などをたどります。そして世界帝国ペルシャとその後のアレクサンドロスの出現で、地中海域から中央アジアまで広まった、リュトンの様々をご覧いただきます。
 
  牡鹿形リュトン
 アケメネス朝ペルシャ
 前4世紀
牡鹿形リュトン
山猫形リュトン
山猫形リュトン
パルティア
前1世紀  
馬形リュトン
 
馬形リュトン
黒海沿岸地域
前4世紀

  時代地域をこえて出色の造形美を放った器たち─リュトン。一つ一つの器に秘められた心を感じて頂けましたら幸いです。
  主 催:MIHO MUSEUM/京都新聞社



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