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永遠の生命を求めて 有翼牡牛形容器
有翼牡牛形容器 前アケメネス朝ペルシア
前8−前6世紀 銀
メソポタミア神話では人間の有限性が強調されていますが、古代イランの人々は、神話に登場する永遠なるものの象徴を容器にかたどり 注ぐ器としました。

ギルガメシュ叙事詩の世界
ギルガメシュは南メソポタミア・ウルクの王。その暴君ぶりを抑えるため神々が送りこんだエンキドゥと戦い、二人は生涯の朋友となった。二人は遠征して杉の森の怪物を退治し、神々がさしむけた七年の不作をもたらす天の牡牛をも倒した。これが二人の最高の瞬間だった。
英雄と有翼牡牛形容器
この後、エンキドゥが病に倒れ息絶えたことを機に、ギルガメシュは永遠の生命を求める旅に出た。その途上で出会ったのが、神の言葉どおり箱舟を作って大洪水で生き残り、永遠の生命を得たウトゥナピシュティムだった。ギルガメシュは彼の話を聞いたが、試練には耐えられず、ついに永遠の生命の秘密を知ることはできなかった ─
英雄と有翼牡牛形容器 前アケメネス朝ペルシア
前8−前6世紀 銀、金
聖樹装飾舟形容器
実用性のかなたに

永遠の生命の秘密 ─
これに答えを求めようとしたのが、彼らの器らしくない器だったのかも知れません。
雄鶏形容器
雄鶏形容器 前アケメネス朝ペルシア
前8−前6世紀 銀、金
 聖樹装飾舟形容器 前アケメネス朝ペルシア
前8−前6世紀 銀、金
古代イランの形象容器
金属板で作られた、まるで彫刻そのものの器たち。しかしよく見ると必ず液体を入れる器口と注ぎ出す注口が開けられています。雄鶏は彼らの拝火教では邪気を祓う大変重要な象徴でしたが、その鶏冠は器口の蓋となっています。



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