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2009年 夏/秋季特別展
オクサスのほとりより
東西文明の架け橋 中央アジア
2009年7月11日(土)〜8月16日(日)
9月1日(火)〜12月13日(日)
From the lands of Oxus
中央アジアのオクサス川沿いに栄えたバクトリアとソグディアナは古くから貴金属貴石を供給する国として知られていたばかりでなく、古来メソポタミアとインダスの古代文明をつなぎ、アレクサンドロス東征以降は地中海文化と西アジア、インド、スキタイ文化を融合させた文明の要衝でした。中世初期にシルクロード交易の主役を担ったソグド人は、こうした独特の中央アジア文化を東に伝え、やがて唐の国際文化創生にもつながって行きました。本展はタジキスタン国立考古博物館から古代バクトリア、ソグディアナの名品五点を迎え、千余年の広がりを持つ古代ペルシアから唐に至る作品百余点で構成します。広範な文化交流の底流に人類普遍の幸福を求める心を感じ取って頂けましたら幸いです。
アキナケス型剣の鞘
アキナケス型剣の鞘 ライオングリフィン形リュトン断片 1 アキナケス型剣の鞘
 アケメネス朝 前五-四世紀 象牙
 タジキスタン国立考古博物館
2 ライオングリフィン形リュトン断片
 アケメネス朝 前五-四世紀 銀製鍍金
3 辟邪小像
 中国 前漢 前二世紀 
 青銅に金銀象嵌
辟邪小像
ライオングリフィン形リュトン断片 辟邪小像
ライオングリフィンと辟邪(へきじゃ)

  アケメネス朝ペルシアの時代に発達した邪気をはらう象徴ライオングリフィンは、遊牧民スキタイを介して中国に伝えられ、中国でも邪気をはらう守護聖獣辟邪となりました。


4 馬車金具(拡大展開図)
 漢 前一世紀-後一世紀
5 狩猟図象牙板(部分)
 前一世紀-後一世紀
 タジキスタン国立考古博物館
4
馬車金具(拡大展開図)
馬車金具
5
狩猟図象牙板(部分)
狩猟文

古代イランの王侯のたしなみである狩猟は囲われた狩場で行われました。この狩場の呼名がパラダイスの語源となったという説もありますが、古くから狩猟の意匠は死後の楽園のイメージと結びついていたのです。
6
四臂神霊図(壁画)
6 四臂神霊図(壁画)
 ペンジケント出土 六-八世紀
 タジキスタン国立考古博物館
7 棺床屏風(ナナ女神祭礼図)
 大理石に着彩
 中国 北周 六世紀後半
7
棺床屏風(ナナ女神祭礼図)
多臂の神々

中央アジアのソグド人はインド起源の神々の姿を借りて、彼らの神々の姿を表現しました。多臂の神々は本来戦闘神であり、守護神でした。6はソグディアナの英雄神、7は葬儀に関係の深い地母神ナナであると考えられています。特に7は中国に交易を通じ定住したソグド人の葬具を飾ったものと考えられています。




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