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秋季特別展
「若冲ワンダーランド」

会期:9月1日(火)〜12月13日(日)
場所:MIHO MUSEUM 北館展示室
主催:MIHO MUSEUM/京都新聞社
後援:滋賀県/滋賀県教育委員会/NHK大津放送局/BBCびわ湖放送
協力:日本航空/損保ジャパン
  江戸時代の中期にあたる18世紀、絵画は史上まれに見る興隆の時期を迎えました。享保年間における、将軍吉宗の洋書解禁や、明・清の新しい絵画様式の移入などに触発され、かつて藤岡作太郎(1870-1910)が「旧風革新」と評したような創造の機運が、新興町人階級出身の画家の間で盛り上がりました。京都では、享保元年(1716)尾形光琳(1658-1716)が亡くなります。奇しくもこの年は伊藤若冲(1716-1800)の生年に当たり、町人出身画家の新旧交代を象徴するかのようです。
  当時、知識層の指導のもとに「写生」の絵が流行しました。円山応挙(1733-1795)がそれを代表する画家です。伊藤若冲もまた、写生を学び、花や鳥、動物を熱心に写生しました。しかしながら若冲が実際に描く絵は、細部まで克明に描写されながら、全体としては現実と異なる不思議な世界──ワンダーランドです。
  細密な描写の一方で、若冲は略筆の水墨画を描きました。そこでは自己の主観にもとづく、奔放な感興の吐出がみられます。まるで児童の絵のような天真爛漫さ、これもまた、若冲の世界の産物で、現代人の感性、美意識にも響きあい、近年大きな注目を集めるようになりました。
  この展覧会は、最近新たに発見され初公開となる「象と鯨図屏風」を中心に、国内外の若冲の作品から、ワンダーランドの呼び名にふさわしい傑作を選りすぐって展示します。
  同時に、池大雅(1723-1776)、与謝蕪村(1716-1783)、曾我蕭白(1730-1781)、円山応挙、葛蛇玉(1735-1780)ら、京・大阪の画家にも範囲をひろげ、若冲と同時代の、個性的でかつスケールの大きな「ワンダーランドの共住者たち」にも照明を当てます。

会期中展示替えを行います。
詳しくはホームページをご覧下さい。
1  「双鶴図」      
MIHO MUSEUM
「双鶴図」



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