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Invitation to the Monster World 三足烏文壁掛 明14〜15世紀 絹
グリフィン形剣柄
タジキスタン「オクサス神殿」出土
前5-前4世紀頃 象牙
タジキスタン共和国国立考古博物館 伝承の怪物
ギリシアの伝説では、猛禽の頭とライオンの体を持つ怪物グリュプス(グリフィン)は、中央アジアの遊牧民の近くに住む、黄金を守る者でした。この怪物は古来地中海域から、中央アジアにその表現が見られます。最近は、中央アジアの金の鉱脈に近い砂漠にむき出しになった、小型恐竜の骨によって産み出された怪物ではないかと考えられています。 始祖神話と空想動物
中国には古来、始祖を鳥とする神話があり、また太陽は黄金の烏が背負って空を巡るものとされました。陽が集まって鳥となり、その陽の極みが陽数の足を持った三本足の烏だったのです。
グリフィン文壺
バローチスターン地域 前4000年紀後半
土器に彩色
古代オリエント博物館
臥牛形鎮
東周 前4世紀〜前3世紀
青銅に銀象嵌
聖なる角
これは一見普通の牛の形に見えますが、頭の真中の角は麒麟の角にも通じる中国古来の神聖な角で、一本の角で神妙な牛を表現しています。体の鳥雲文もただならぬ雰囲気です。
神々の怪物 海馬形飾板 海馬形飾板
海馬形飾板
タジキスタン「オクサス神殿」出土
前2世紀頃 象牙
タジキスタン共和国国立考古博物館 海を渡った空想動物 この絨毯は東イランで16世紀末頃織られたものです。意匠の主題は楽園のようですが、中国の目出度い空想動物、四霊のうち、龍、鳳凰、麒麟が織り込まれています。しかしどれも闘争文に組み込まれ、龍は鳳凰を咬み、麒麟はライオンに襲われています。しかしこれは逆に西アジアでは死と再生の目出度い意匠だったのです。
ギリシアの海の怪物は、自然の力を象徴したもので、海神の命令によって人を襲うこともあれば、助けることもありました。やがてこの怪物は、世界の西の果ての海にある死後の楽園エリシウムに無事に導く存在というイメージにもつながりました。ガンダーラの初期仏教美術では涅槃に導く怪物として描かれています。 メダイヨン動物文絨毯(部分) イラン 16世紀末〜17世紀初頭 羊毛、綿
ケートス浮彫 海馬形飾板
タジキスタン「オクサス神殿」出土
前2世紀頃 象牙
タジキスタン共和国国立考古博物館
ケートス浮彫
ガンダーラ 2-4世紀 石
古代オリエント博物館
学術講演会「東南アジアの空想動物」
ラプチェフ・セルゲイ 当館特別研究員
7/28(土) 14:00〜 南館レクチャーホール 参加無料(要入館料)



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