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本でガラス器が本格的に制作され始めたのは、江戸時代のことでした。宣教師ルイス・フロイスから織田信長への献上品の中に金平糖を入れたガラス器がありましたが、当時はどれほど珍しいものだったでしょう。江戸時代に鎖国が行われると、ヨーロッパや中国からのガラス器は、唯一長崎を通じて輸入されました。おそらくガラスの器を求める声は日に日に高く、やがて長崎でガラスが作られ、大坂、江戸へと広がって行きました。当時のガラスはびいどろ、そして上質の無色なガラスはギヤマンと呼ばれていました。
この度の展覧会は、瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館から約190件の優品をお借りして開催されます。創立者・大藤範里氏の約50年間の蒐集で、氏の第一の選択基準は「美しいこと」でした。
この度の展覧会の基本構想までも作り上げたられた氏が最初に感じてほしいと願ったのが、江戸時代の洒脱な暮らしです。
糸ガラスや梅に鶯を彫り込んだギヤマン櫛を挿した娘さんが、ガラスビーズで飾った裁縫
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