Bliss of the Ancient Orient

開館20周年記念特別企画
古代オリエント美術の愉しみ ─エジプトから中国まで─
2017年3月18日(土)〜6月18日(日) 南館 中国・西域展示室
当館は本年開館20周年を迎えます。その歩みの中で常に発信し続けてきた、古代オリエント美術の魅力。その奥行と広がりのある精神世界の結晶した一点一点は、今に生きる人間の心の奥底にも深く響くものを持っています。
本展はオリエント世界とその東への展開を示す、選りすぐり53作品66点で構成します。彼らの語りだす魅力ある世界をご堪能頂ければ幸いです。 聖樹装飾舟形容器

大洪水をのりこえる器 聖樹装飾舟形容器
前アケメネス朝ペルシア
前7世紀−前6世紀
銀、金
古代イランの人々が希求したのは、メソポタミアの英雄でさえかなわなかった世界
それは大洪水の審判、自然の円環をのりこえて得られる永遠の生命
この舟形の容器こそ、彼らの儀式で主役を演じた、生命を注ぎだす器だったのかもしれない
ヒエログリフ浮彫「美しき西」

永遠の国へのみちしるべ
ライオン・グリフィン形リュトン

ユニバーサルな守護聖獣
ライオン・グリフィン形リュトン
アケメネス朝ペルシア 前4世紀
銀、ガラスの練物
ヒエログリフ浮彫「美しき西」
エジプト 古王国 第5王朝 
前2454─前2311
石灰岩 私はどこから来てどこへ行くのか ─
との問いは人間の歴史の中では新しい
古代エジプトの人々は迷うことなく、日没の方向にある死後に赴く理想の国「美しき西」を求めた
ここに刻まれた文字はまさにその世界の名前であり、かの国の女神の名前でもある オリエント世界を統一したペルシアの注ぐ器、リュトン
右のリュトンはエジプトとギリシアの職人の手で作られたようだ
山羊角をつけたペルシアのライオン・グリフィンは、東アジアまでその姿が伝わった、ユニバーサルな守護聖獣
イラン南部のエラム文化はやさしい動物表現にあふれている
ゆるキャラのようなこの牡羊は、生命が復活する元日の儀式に使われた大真面目なペンダント
彼らは日の出直前東の空にのぼる牡羊座を見て、春分の日を知った
自然の円環とともに生きる地上の生活がそこにあった 牡羊小像

五千年前のゆるキャラ 辟邪

てのひらサイズのモンスター
辟邪
中国・前漢時代 前2世紀
青銅、金、銀
オリエント世界のライオングリフィンは、遊牧民によって北・東アジアに伝えられ、漢の時代に辟邪・天禄の守護聖獣となった
やがてアジア東端の日本でも狛犬として定着した
牡羊小像
原エラム時代 前3000 〜 前2800年頃
銀



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