「蓮華弥勒(れんげみろく)」のコーナーでは、半跏思惟の姿をした菩薩像に焦点を当てます。釈迦の姿として始まり、半跏思惟像を通じて観音、弥勒としても崇拝されるようになったこの形式の菩薩像は、わが国に伝えられ、弥勒菩薩の代表的な姿として定着する一方、奈良時代には観音としても信仰を集め、半跏思惟の菩薩像は平安時代になると聖徳太子信仰と結びついて如意輪観音として尊ばれる半跏思惟像が生まれました。一方、平安時代以降に観音の象徴のように思われる蓮華を持った二臂(にひ)の弥勒像が見られるようになりました。
菩薩半跏思惟像
 ぼさつはんかしいぞう
4 菩薩半跏思惟像
カシミール 銅造
高10.7cm 台北 国立故宮博物院蔵
菩薩半跏思惟像
 ぼさつはんかしいぞう
5 菩薩半跏思惟像
北周時代 黄華石
高48.2cm 個人蔵
弥勒菩薩半跏思惟像【重要文化財】
 みろくぼさつはんかしいぞう
6 弥勒菩薩半跏思惟像 【重要文化財】
白鳳時代(丙寅年 666) 銅製鍍金
高18.5cm
野中寺(や ちゅう じ)蔵(大阪府羽曳野市)
(展示期間:7月29日〜8月10日を予定)
半跏思惟菩薩像【重要文化財】
 はんかしいぼさつぞう
7 半跏思惟菩薩像 【重要文化財】
奈良時代 銅製鍍金 高16.5cm
岡寺(奈良県明日香村)蔵
  台座に刻まれた銘文によって、丙寅の年(天智天皇5年666)に弥勒として造られたことがわかります。
  奈良時代に造られた岡寺の本尊、如意輪観音像の胎内に納められていたと伝えられ、この像を観音として信仰を集めていたと思われます。



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