MIHO MUSEUM秋季特別展
獅子と狛犬
─神獣が来たはるかな道─
会期 2014年9月2日(火)〜12月14日(日)
主催:MIHO MUSEUM 京都新聞
後援:滋賀県/滋賀県教育委員会/NHK大津放送局
   /BBCびわ湖放送/エフエム京都
  神社に詣でれば、参拝者をまず迎えてくれるのが一対の狛犬の像である。平素は気にすることもないほど当たり前になっているこの神獣。よく見ると一方の頭に角の有るものが交っており、角の有るものを狛犬、無いものを獅子と区別しているという。いったいわが国に生息しない獅子がどのようにしてわが神々を護るようになったのか、なぜ角を有する狛犬が一方に配されるのか?
  この展覧会はこの神獣の遥かな源流を求めて、美術工芸に表わされた西方の獅子の姿から始まる。そこにはまず無敵とも思われる力強い獅子の姿が見えてくる。これを見れば誰もが獅子はなにものをも打ち負かす強さを備えていると感じるだろう。しかし一方、負ける姿の造形も古い時代から現れている。ここでは獅子は子供のように吊下げられ、剣で貫かれている。これを見れば誰もが獅子を打ち負かす存在に驚嘆し、畏敬の念を抱くだろう。獅子の毛皮をまとう英雄ヘラクレスを「あの獅子を倒したもの」と仰ぎ見るように。
帝王闘争文皿
2 帝王闘争文皿
ササン朝ペルシア 5〜6世紀
MIHO MUSEUM
獅子頭神像
1 獅子頭神像
エジプト第25王朝後期─第26王朝
前690─前525年頃
MIHO MUSEUM
獅子文様壺
  もう一つ、古くから現れる獅子の姿がある。そこで獅子はなにかを護っている。獅子は護るべきものの傍らに静かに佇んでいる。獅子は護るべきものの両脇やその下などに控え、害するものを近づけない威嚇と、護られている存在が、いかに威力あり、高貴な存在であるかを無言のうちに伝えている。
 
3 獅子文様壺
東イラン・青銅器時代
前三千年紀
MIHO MUSEUM



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