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さて、日本列島にたどり着いた獅子という聖獣は、獅子と狛犬というように、守護獣一対として、社寺などの聖なる領域への魔の侵入を防止する役割を担うようになる。「狛犬(こまいぬ)」といえば、今は神社の入口や社殿の廻廊などに安置されている、なにか番犬のように思われがちであるが、一般的には獅子と、頭に角のある一角獣の一対として表される。だから、一方は「獅子」で一方は「狛犬」ということになり、大きく口を開いて咆哮するように威嚇する「獅子」と、口を結んで睨みを利かす「狛犬」という、阿吽の一対として安置される事例が多い。
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この「狛犬」は、平安時代初期に記録された寺院の財産目録などに「高麗犬」などとあるが、これは舞楽に用いられる、いわゆる獅子頭、つまり、獅子舞などでその頭部を表す巨大な仮面に似たものをさしている。狛、高麗は、韓半島三国時代の高句麗などを表す異国を意識させるもので、「狛犬」も、いわば異国風の神秘なる守護獣ということなのであろう。であれば、みな同じような形をし、個性などないと思われるかもしれないが、各時代のトレンドにより、様々に表されてきた。ここで、今回の展覧会に出品される狛犬の精鋭の一部をご紹介しよう。
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