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獅子は中国には既に漢時代に伝えられて、中国古来の龍や鳳凰とともに神獣の仲間に列し、獅子のような姿をした角をもつ辟邪の像が現れる。仏教が盛んになる南北朝時代には西方から伝えられた仏陀の座に控える獅子の姿が多く見られるようになり、鎮墓獣にも角の有る獅子のごとき神獣が現れてくる。唐時代になると、西方よりもたらされた天の世界の象徴たるパルメット文様の中で遊ぶ獅子の姿が銅鏡の背面文様に見られるようになり、なかには鳳凰にまじってペガサスや、角を持つ獅子の対角に獅子が表わされる例が見られる。
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![]() ![]() このような現象が角のある狛犬と角のない獅子を対とするわが国の神獣のあり方とどのように関係するのかは定かではない。しかし、仏陀を護る一対の獅子の姿は白鳳時代には確認することができ、パルメット文様が中国特有の宝相華唐草に代わり、宋代には牡丹唐草の中で遊ぶ獅子の姿が生まれると、鎌倉時代のわが国に伝えられ、以後長く唐獅子牡丹の図様としてわが国でも親しまれた。
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