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鎖国下の江戸時代、限られた窓口からとは言え、わが国には想像以上に豊富な舶来品がもたらされていました。なかでも、西洋との唯一の懸け橋となったオランダの船に舶載され、遠き国より渡り来た新奇かつ美しい品々は、どんなにか当時の日本人の心をつかんだことでしょう。それはあたかも、同じく江戸時代にヨーロッパより伝わった万華鏡を覗くような心地だったに違いありません。
本展では、江戸時代の様々な舶来品のうち、特にオランダ東インド会社を通じて輸入され人気を博した、インド更紗、ヨーロッパガラス、デルフトを中心とする「阿蘭陀」陶を取り上げます。そして、それらが当時わが国でどのように愛でられ、使われ、応用されたかをご覧いただきます。
江戸時代に舶来し伝世した裂やうつわそのものと共に、更紗で仕立てた陣羽織、小袖、小物等、また、ヨーロッパ製ガラスの模倣から始まった和ガラスの数々、乾山を始めとする阿蘭陀写など、泰平の世に繰りひろげられた多彩なバリエーションの形をお楽しみください。
数百年の時を経て、今日まで大切に伝えられた“古渡り”と呼ばれる裂やうつわ。そこには既に、先人たちの選りすぐりの美の基準がありました。と同時に、それら外来の文物を完全に昇華させて自らの文化に取り入れた、その様々な姿には洗練された美意識がうかがえます。
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