毎年3月、奈良・東大寺二月堂では大松明で有名なお水取りが行われます。その行に籠る練行衆たちが、日に一度だけ二月堂直下の食堂(じきどう)で食事をとるときに使用したお盆がこの二月堂練行衆盤です。その色と形が日輪を連想させることから、俗に日の丸盆とも呼ばれています。
鎌倉時代から営々と使用されてきた古いものが、廃仏毀釈などの混乱で市中に流れ、数点が民間にも伝わっています。現在、東大寺に11枚、他に個人や美術館などに確認できるもので7枚が知られており、数寄者垂涎の品であったようです。
本展では、民間に伝わった7枚のうち5枚が出品されます。
MIHO MUSEUM
の創立者である小山美秀子(1910−2003)は40年来、茶道美術を蒐集してきました。その中に、この日の丸盆があります。
小山は、写真のように仏教美術と取り合わせ、茶席のしつらえに使用して楽しんでいたようです。
幼少の弘法大師を描いた「稚児大師像」。その高貴なこころざしを感じさせる取り合わせです。
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