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![]() 前方に5人の男性、その後方に2人の女性が、唐風の楽器を奏でており、最後尾の男性は煙を立てる香炉をかかげもっている。いずれの人物も中国の服装を身につけ、音楽のほかに香を楽しんでいるようだ。唐人たちを描く線は、筆で描いてには見えず、おそらくは池大雅が20代の頃に得意とした指頭画によっているものと推定される。この図は酒宴などの場で、即興で描いた作品と思われ、指先を筆に代えて文字通り
「手早く」描くその奇技の巧みさに、さぞかし人々は驚き、あきれただろう。
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![]() 池大雅と並び称される日本文人画の大家、与謝蕪村には珍しい金箔の地に、木々が冬枯れして寒々しい山中の風景が、墨色だけ描かれている。渓流にかかる小さな橋を一人の旅人が渡っており、その道は四阿のある宏壮な家の敷地へと通じる。現状は2曲の小さな屛風だが、左右の両端に引き手跡が認められ、当初は、座敷の床の間の脇などにある戸棚の小襖であったことが判明する。
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