5.盃
個人蔵
径12.2cm (白洲正子氏旧蔵)
会期中に展示替がございます。
盃
  直線的な外観は、中世の「根来」から一皮むけた新しい感覚を感じさせますが、中を覗き込むと、その穏やかで深い「見込み」には古格が感じられます。そして、この盃のもう一つの魅力は、焼物の釉薬が溶けたような漆の塗り肌でしょう。漆刷毛の跡が残るような、粘りのある朱漆を塗ったままで仕上げた「根来」ならではの味となっています。
  文筆家白洲正子さん愛蔵の盃で、古いものを現代の感覚で使いこなした白洲さんの美意識の一端が感じられる作品といえるでしょう。
6.湯桶
個人蔵
最大径30.5cm 高35.7cm
会期中に展示替がございます。
  湯桶は、元来金属製の点茶用具であったことが知られていますが、本品のような「根来」の遺品も多く見られます。
  上面に窪みを作ることであふれた湯が側面に流れることを防ぎ、また、底部の腐食防止に足をつけるなど、実用性に考慮しながら、八角形を基本とし、すべての面を曲面で仕上げており、当時の工人の優れた造形感覚と技術を見ることができます。また、朱と黒の塗分けや胴体部に木目を生かすという美意識には、縄文時代から木と向き合ってきた日本人の感性が感じられます。加えて、永年の使用により八角の稜線が黒く浮き出て輪郭を引き締める効果は、「根来」ならではの魅力といえるでしょう。
  この湯桶のように、形の美しさが機能や用途の上に、洗練され発展している点と、木の美しさを最大限に引き出す漆塗、経年によるすれ味が「根来」の魅力といえるでしょう。
湯桶
講演会
平成25年11月4日(月・祝) 14:00より
河田 貞 氏(奈良国立博物館名誉館員、元帝塚山大学教授)
演題 「根来の美」
共通入館券情報
信楽まちなか芸術祭開催記念!
MIHO MUSEUM & 滋賀県立 陶芸の森 陶芸館
共通入館券発売!!
◎2館でお得な 1,200円(※予定・通常2館合計1,600円)
◎10月2日(土)〜12月15日(日)の間、いつでも使えます。
◎期間中に各館窓口でお買い求めください。
 ※期間中の展覧会はP.18、P.19を参照ください。
 ※湖南4館スタンプラリー(+滋賀県立近代美術館 +佐川美術館)の対象になります。
  スタンプラリー台紙は、ご来館時に受付係までお申し付けください。



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