米国メリーランド州にあるファインバーグ・コレクションは、ファインバーグ夫妻が蒐集した、江戸絵画を中心とする日本美術のコレクションです。このコレクションの特徴は、狩野派や土佐派など官画(かんが)派の保守的な作品がほとんど含まれず、江戸時代の民間画派(みんかんがは)の、自由で活気に満ちた肉筆画の作品が中心となっていることです。
尾形光琳(おがたこうりん)、酒井抱一(さかいほういつ)らの琳派、池大雅(いけのたいが)、与謝蕪村(よさぶそん)、谷文晁(たにぶんちょう)らの文人画、円山応挙(まるやまおうきょ)、森狙仙(もりそせん)らの円山四条派、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)、曾我蕭白(そがしょうはく)らの奇想(きそう)派、そして菱川師宣(ひしかわもろのぶ)、
葛飾北斎(かつしかほくさい)らの浮世絵など、内容は実に多彩です。また、いずれの作品も質が高く、全体として上品な雰囲気を持っていることも大きな特徴です。
本展では、このようなファインバーグ・コレクションを、日本で初めてまとまった形で紹介いたします。
コレクションから選び抜かれた優品約90件を通じて、百花繚乱(ひゃっかりょうらん)の江戸絵画の世界をお楽しみ下さい。
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